もつ鍋には欠かせない「キャベツについて」
キャベツとは
フウチョウソウ目アブラナ科も多年草で栽培上は一年生植物とされています。キャベツの語源はCabbageからきていますが、元はフランス語で頭を意味するcabocheが由来とされています。
甘藍ともいう。ヨーロッパ西部海岸地帯の原産とされるが、南北両半球の冷温帯で広く栽培されています。葉は密に重なって生じ、互いに抱合って球形になるので、タマナ (球菜) とも呼ばれています。
葉は肉厚で幅広く、重なり合って大きな球になります。夏、とう立ちして淡黄色の4弁花を総状につけます。食用とするものでは花茎の出る前に収穫します。
ヨーロッパ海岸地方の原産で、野生種は結球しません。日本へは明治年間に渡来し、野菜として栽培されています。
また、多くの品種があります。球の形は丸形、尖形(せんけい)、扁球形などがあり、色も白色、濃緑色、赤紫色など数百品種におよびます。各地の気候、収穫期、品種の差異などから、栽培法は春まき、夏まき、秋まきに大別されます。
春夏秋冬、一年中出荷されているキャベツですが、その産地は季節によって異なります。シャキシャキとした歯ざわりや煮こんだときの甘みが人気で、作付面積、収穫量ともに日本では大根についで多い人気の野菜です。
日本の主産地は愛知、群馬、千葉などです。生食するほか、漬物にしたり、炒めたり煮込んだり、様々な料理に使われます。
キャベツは生でも、炒めても煮込んでも漬けても食べられる有能な食材です。さらには栄養価も高い野菜でもあります。ブロッコリーやカリフラワーもキャベツの仲間に含まれます。
キャベツの歴史
キャベツの原産地は、地中海沿岸からアジアとされています。ヨーロッパで、紀元前から栽培されてきたケールという野菜から派生した物がキャベツと言われています。初めて食用にしたのはギリシャ人といわれており、その後ヨーロッパ各地、アメリカなどに渡って改良されていきました。
栽培の歴史は非常に古く、結球しない原生種は有史以前から栽培されていたようです。この種類は、現在もギリシャ、イタリアなどの海岸沿いの絶壁に分布しています。原生種は、古代ローマ人が好んで食べていたそうで、胃の調子を整える作用が評価されていました。帝政ローマ時代の軍人大プリニウス(23~79)の「博物誌」には、キャベツの多くの効能が載っています。
古代エジプトでは、キャベツには高い薬効があると信じられ、甘く煮たものがデザートとしてよく用いられていたといいます。
日本へは、江戸時代の1704~1711年にオランダ人によって長崎に伝えられましたが、当初は食べるためではなく、球にならない葉キャベツで、観賞用として栽培されました。その改良種は、葉牡丹(はぼたん)となり現在につながります。
明治時代より本格的に栽培が始まり、大正時代より一般的に食べられるようになりました。
そして、昭和25年から消費量が急増しました。
野菜として普及したのは、明治になってからです。最初は外国人居留者や、寄港する外国船の積載用食料として栽培されましたが、徐々に日本人のあいだにも広まり、明治時代末期には一般的になりました。
キャベツの消費量が急速に増大するのは、第二次世界大戦後で、昭和30年代になると、食生活の洋風化に伴い爆発的に増えました。
日本では中国から伝わった甘藍(かんらん)という呼び方とは別に玉菜(たまな)とも呼びますがこれは丸く玉のような外見から名づけられたそうです。
文化史
ギリシャでは、ピタゴラスがその効用を説くとともに品種改良を試みたと言われています。ローマの大カトーは『農業論』(前160)のなかで、キャベツの消化促進作用を賞賛し、また3品種をあげるが、その一つは葉が重なり合って大きな球になっていると述べられ、結球性がうかがえます。
台湾には、17世紀にオランダ人によって伝えられました。日本での民間栽培は、津田仙(つだせん)が1872年(明治5)に手がけたのが最初で、当時は甘藍(かんらん)とよばれて1個1朱(しゅ)の値で売られたという。
中世のスコットランドでは、11月1日の万聖節の前夜に未婚の青年たちが、収穫の終わったケール(キャベツの祖型)畑で未来の配偶者を選ぶ占いをしていまた。目をつぶった男女が畑のケールを引き抜き、その茎の大小や曲がりぐあいで体格を、また切り取った茎の味で気だてを占ったといわれています。キャベツ畑から赤ん坊を拾ってくるという俗説には、このケール畑で未婚の男女が集い、結ばれるという行事の影響も考えられています。
キャベツの産地
東海地方、愛知県の地域ブランドで、主に田原市・豊橋市などで生産されています。作付面積・生産量ともに全国一を誇ります。明治時代、名古屋市近郊で都市園芸として始まりました。品種によって春系と冬系に大別され、春系はやわらかく生食向きで、冬系は調理向きです。ビタミンU・ビタミンC・食物繊維などを多く含み、外葉がみずみずしくてハリがあります。硬く重量感があるものがよいとされていなす。近年は、初夏に出荷する夏系キャベツの生産も増加傾向にあります。
キャベツの旬
季節に合わせた品種が早くからつくられ、種まきの時期に差をつけて栽培するので一年中出回っています。春先から6月頃まで出まわる巻きのゆるい新キャベツ(春キャベツ)と、通年見かけるかたく巻いた平たい冬キャベツ(夏は高原キャベツと呼ばれます)があります。
人気があるのは葉のやわらかい新キャベツで、旬は4月から5月半ばにかけてです。冬キャベツの旬は2月頃です。この頃出まわるものは寒さにあたって甘みをまし、煮こむといい味がでます。
厳しい寒さの中で育つ冬キャベツは、愛知、神奈川、千葉などの温かい地方が主産地です。
春系キャベツは花芽ができにくい品種で、千葉、神奈川、愛知で多くつくられます。
夏から秋には、北海道や群馬の嬬恋、長野の野辺山などの高原キャベツが出回ります。
キャベツの種類
キャベツの種類は多く、食用のものを大きく分けると、
・(結球種)日本で一般的にキャベツと呼ばれるもの
・(変種)ちりめんキャベツ、ケール、芽キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、コールラビ、カイランに分けられます。
日本では、季節に合わせた品種が早くからつくられ、一年中出荷されています。球がしっかり締まっている冬キャベツ、春を中心に出回る春キャベツ、冷涼地で栽培される夏秋キャベツ、などに分けられます。
■ 冬キャベツ
夏に種をまき、晩秋から初春にかけて収穫されるキャベツです。厳寒期から初春に収穫されるものは、特に「寒玉」と呼ばれています。形は偏平で、球がしっかり締まり、葉はしっかりとかためです。外側の葉はあざやかな緑色をしているのが特徴ですが、寒気に傷んだ外葉をむいて出荷されることが多いので、店頭に並ぶものは葉が比較的白いものが多いようです。最も生産量の多い作型で、愛知県が主産地です。11月~3月頃まで出回ります。煮こんでも煮くずれせず、出し汁をよくすうので、ロールキャベツのような煮ものにむいています。
また、水っぽさがないので炒め物にもむきます。
■ 夏秋キャベツ
冬キャベツの品種を、冷涼地で春から初夏にかけて種をまき、夏から秋にかけて収穫するものです。群馬県の嬬恋(つまごい)や長野県の八ヶ岳山麓などの高冷涼地からの出荷が多いので「高原キャベツ」ともよばれます。7~10月頃までが収穫期です。球がよく締まり葉が柔らかく、水分に富んでいて、中まで緑色をおびています。生のまま食べるほか、汁の具にもむいています。
■ 春キャベツ (別名)新キャベツ
秋から冬にかけて種をまき、早春から初夏にかけて収穫されるキャベツで、「春玉」と呼ばれています。春先から6月頃まで出回り、冬キャベツと比較すると、大きさは半分以下、球の巻き方もゆるく丸型で、葉は中まで緑色をしています。神奈川県、千葉県が主流。やわらかく、みずみずしいので、サラダなどの生食や浅漬けなどにむいています。
■ グリーンボール
「グリーンボール」とは銘柄名ですが、この種の総括名として用いられます。寒玉・春玉に対して「丸玉」とも呼ばれています。1kg程度の小ぶりのボール型で、葉につやがあり、びっしりと巻き込んでいるのに、葉の内部まで緑色を帯びています。葉が肉厚のわりに柔らかく、組織はしっかりとしているので、何にでも使える万能型です。春秋は都市部近郊ものが、夏場は北海道や高原ものが出まわりますが、寒さに弱く、冬場には出まわりません。旬は5月頃です。やわらかさを生かしてサラダやスープにします。成分的にはキャベツと似ていますが、カロチンはキャベツの2倍程度含み、ビタミンCやカルシウム、カリウムの含有量もキャベツを上回ります。
■ 紫キャベツ (別名)赤キャベツ
葉の表面がちりめん状に縮れているのが特徴です。玉の大きさや形状は普通のキャベツと変わりません。葉の中心まで緑色をしており、甘味があって歯ぎれもよく、サラダに最適です。煮くずれしにくいので、スープや煮込み料理にもむきます。不結球、半結球、結球の型がありますが、栽培面積はさほど多くなく、日本では結球型がわずかに栽培されています。縮れによって弾力が生まれ、輸送性が高く日もちがいいので、かつては船の食料として重宝されました。
■ ちりめんキャベツ(サボイキャベツ)
葉の表面がちりめん状に縮れているのが特徴です。玉の大きさや形状は普通のキャベツと変わりません。葉の中心まで緑色をしており、甘味があって歯ぎれもよく、サラダに最適です。煮くずれしにくいので、スープや煮込み料理にもむきます。不結球、半結球、結球の型がありますが、栽培面積はさほど多くなく、日本では結球型がわずかに栽培されています。縮れによって弾力が生まれ、輸送性が高く日もちがいいので、かつては船の食料として重宝されました。
■ 芽キャベツ (子持ちかんらん、姫かんらん)
普通のキャベツの芽ではなく、キャベツの栽培変種で、葉の付け根の腋芽(えきが)が、直径2~3cmに結球したものです。ひと株に、50~60個ほどビッシリつくことから、子持ちかんらんとも呼ばれています。このため、結婚式の披露宴の料理に出される場合も多いようです。葉が固く巻いていて、ややほろ苦さがあります。一年中出まわりますが、霜がおりてから2月までに収穫されるものは、柔らかく、甘味も増します。栄養価は高く、ビタミンCはキャベツの3倍以上あります。ベルギーのブリュッセルが原産地です。
■ ケール (葉キャベツ、羽衣(はごろも)かんらん)
今日の結球キャベツの原型で、結球せずに葉が花のように重なり合って開きます。ヨーロッパでは栽培が盛んで、食用、飼料用に多数のタイプのものが栽培されています。カルシウム、カロチン、ビタミンB1、B2、Cはキャベツより多く含まれます。体の抵抗力を高め、胃腸を丈夫にする働きがあり、ヨーロッパでは、スープやサラダによく利用されています。日本では最近話題の青汁の材料に使われています。
■ コールラビ (かぶキャベツ、球茎(きゅうけい)かんらん)
キャベツの一種で、かぶのように肥大した茎の部分の皮をむいて食べます。コールラビはドイツ語でコールは、キャベツ、ラビはかぶの意味です。茎は5~8cmぐらいの球形で、皮の色は淡い緑色と赤紫色の2種類がありますが、中はどちらも薄緑色です。シャリシャリとした歯ざわりでブロッコリーの茎に似た味がします。小さいものは生食に、皮のかたいものはスープや炒めものなど、かぶと同じように扱う料理用途が多いようです。
■ カイラン (チャイニーズケール)
キャベツの一種の中国野菜です。結球せず、開花直前のつぼみとその花茎や若葉を食用にします。
茎はやわらかく、ほのかに甘みがあり、葉はほろ苦く、ブロッコリーに似た味がします。暑さに強く、日本でも夏野菜として栽培されています。太い茎は皮をむき、やわらかい部分をゆでてサラダにしたり、酢漬け、みそ漬け、油炒め、天ぷらなどにします。
キャベツの栄養
キャベツにはビタミンC、ビタミンU、ビタミンK、カルシウム、食物繊維が豊富に含まれています。ビタミンCやUは水溶性ビタミンなので、熱に弱いのが難点です。効果を期待するなら生食か青汁として飲む方法がベストです。水にさらしてパリッとさせたいときも、千切りなどにする前に、葉のまま短時間ですませましょう。部位によってビタミンの含有量がちがいます。外側の緑色の濃い葉には、カロテンが多く、かたい芯の部分には葉以上にビタミンCが多く含まれています。外葉や芯(しん)は捨てずに、丸ごと1個を使いきるつもりで調理すれば、各種ビタミンをムラなくとることができます。
■ ビタミンC
100g当たり44mg含まれています。あまり知られてないですが、ミカンより含有量が多いです。大きめの葉を2~3枚程で1日に必要なビタミンCをカバー出来ます。これは成人の1日の摂取量です。しかし、食べる部位によって含有量の大きな違いがあるので注意。緑色の濃い外側の葉っぱの方がビタミンCは多く含まれているので、ビタミンCをと摂取したい場合は緑の方を食べるよいでしょう。風邪予防、疲労回復、肌荒れの解消に効果的です。
■ ビタミンU
ビタミンUは、キャベツから発見されたので別名キャベジンと呼ばれています。この呼び方の方が有名ですね。胃腸薬の「キャベジン」もこの成分の名前が由来となっています。荒れた胃腸を元気にし、胃や腸の粘膜の新陳代謝を活発にさせます。特に、芯や芯の近くに多く含まれています。とんかつなどの付け合わせでキャベツが多いのはキャベツには揚げ物による胸焼けを防ぐ効果も期待できるからです。傷ついた胃腸の粘膜を修復するために必要なたんぱく質の新生を助けるので、胃腸のトラブルに強い味方となってくれます。そのため、抗潰瘍作用(こうかいようさよう)があり、胃潰瘍(いかいよう)や十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)に有効に働きます。また、肝臓に余分な脂肪が沈着して起こる脂肪肝を予防する働きもあります。
■ ビタミンK
ビタミンKには血液凝固作用があり、止血が早くなり、かすり傷などの治りが早くなる効果が期待できます。キャベツに含まれるビタミンKが骨へのカルシウムの沈着と助けるために牛乳と同程度のカルシウム吸収率を誇ります。骨粗鬆症の予防にも効果があります。
■ カルシウム
カルシウムは骨や歯の構成要素であることは有名ですね。イライラしたらカルシウムとれというように、精神的な興奮や緊張を和らげる効果もあります。
■ ベータカロチン
キャベツ外側の緑色が濃い部分には、ベータカロチンが多く含まれています。ベータカロチンは体内に取り込まれるとビタミンAに変わります。そして、目の健康維持・視力障害の防止に効果が期待できます。また、内臓の粘膜を健康に保ち、風邪の予防にも一役買っています。
■ カリウム
カリウムは生命活動を健康に維持するために重要な栄養素です。カリウムには血圧を下げる作用があるので、高血圧の予防につながります。また不足していると、筋肉の動きが悪くなり、けだるさを感じるようになります。
■ 葉酸
キャベツやホウレン草に多く含まれる葉酸は赤血球を作ったり、細胞の分裂をしたりする際に必要な栄養素です。発育に特に必要な栄養素のため、妊婦さんにはとくに必須といえる栄養素です。
■ イソチオシアネート
免疫力を上げる効果がすごくて、非常に強い殺菌力を持っています。この殺菌力は、風邪の原因となるウイルスだけでなく、ガン細胞にも威力を発揮してくれる程の凄さを持っているため、驚発ガン性物質が活性化するのを防ぐ上に、無害化してくれるので、ガンができるのを防いでくれます。また、強力な抗酸化作用もあるので、生活習慣病の予防だったり、体の老化を防ぐには、とても効果があります。
キャベツの効果
■ 胃潰瘍、十二指腸潰瘍の改善
ビタミンUは別名キャベジンと呼ばれ、古くから胃腸の健康状態を保つ成分として知られています。キャベツのビタミンUには胃腸が弱っていればその修復に、弱ってないとしても胃腸を健康に保つ働きがあります。
■ 抗がん作用
キャベツに含まれているイソチオシアネートには、発がん性物質の活性化を防いでくれたり、無害化してくれます。「疫学的研究などから現在最もがん予防効果が期待される食品成分」という岡山大学の発表もあるほどです。アメリカの国立がん研究所によって提案された「デザイナーズフーズ・リスト」の中で、トップグループに位置づけられた野菜でもあります。このリストは、がん予防効果の高い食品を順番に並べたものです。キャベツには、強力ながん抑制物質であるイソチオシアネートやインドール化合物が含まれているのです。さらに注目されているのは、発がん物質の活性化を抑えるペルオキシダーゼが多く含まれている点です。ペルオキシダーゼは食品を加熱したり、調理する過程で発生する発がん物質の活性化を妨げる酵素で、キャベツをジューサーなどで絞って生ジュースにすると効率よくとることができます。このほか、アミノ酸のリジンやトリプトファンも含まれているので、子どもの発育にも欠かせない食品といえます。
■ ダイエット
食物繊維が豊富で、ビタミンCやビタミンU等の栄養成分が多く含まれるキャベツはダイエットに最適です。特に、便秘解消にもとっても効果的です。ビタミンCやビタミンU等の栄養成分は、お肌や胃腸にも良く、ダイエット中に悩みがちなお肌のくすみも解消されます。
そして、キャベツのカロリーはおよそ100gで23kcalです。
まるまる1個食べると約1kgになるので230kcalになります。1個たべるのはなかなか難しく、1/4も食べれば結構おなかが膨れますよね。ごはん1杯が約235kcalということを考えると非常に低カロリーな食材と言えます。その低カロリーな性質を生かしてキャベツダイエットというダイエット方法があるほどです。
しかし、やりすぎ注意です。
■ 美肌効果
キャベツに多く含まれるビタミンCには、とても強力な抗酸化作用があります。体内の酸化を防いでくれると新陳代謝が円滑に保たれ、お肌のしわやしみなどを防いでくれたり・肌荒れを防止してくれたりします。
■ 疲労回復、免疫力アップ
キャベツに多く含まれるビタミンCには、免疫力アップや疲労回復にも効果があります。その結果、風邪などの病気を防いでくれるので、風邪をひきやすい人は積極的に摂取すると良いでしょう。
■ 便秘改善
キャベツに豊富に含まれる食物繊維の働きで便秘の改善に効果があります。ただし食べ過ぎると水分を吸収しすぎて、便が固くなり、逆に便秘になることもあるので注意が必要です。1個まるまる食べるような生活は続けると逆効果にもなりえることを覚えておきましょう。
■ 健忘症、滋養強壮
滋養強壮作用、健脳作用があることでも知られています。
とくに老人性の健忘症に有効です。老化にともなう足腰の弱りや耳鳴りなどの改善にも効果が期待できる野菜なので、高齢者の食事のメニューには最適の食材といえます。
■ 注意点 ■
千切りにしたキャベツを水につける方、多いと思います。しかし、この方法は水溶性のビタミンなどの栄養素を減少させているのです。
水につけておくと5分後にはビタミンCが2割も減ってしまうそうです。しゃきっとした状態を保つために水につけるにしても2~3分ほどで水を切った方が栄養面ではよいです。
ビタミンの効能を考えると生食がいいのですが、冷え症の人の場合は体を冷やしてしまうので、加熱して食べるようにしましょう。ジュースにして飲む場合もあたためて飲みましょう。また、アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)を服用している人もひかえめにしたほうがいいでしょう。キャベツを含む食事によって、薬の作用が弱まってしまうことがあります。
調理方法
使い始めは外側から葉を向いていくようにします。縦に包丁を入れてしまうと、切り口から水分がとんで、鮮度が一気に落ちてしまいます。キャベツの葉の外側の数枚は雑菌がついている可能性があるため、なるべく煮物や炒め物にするようにします。サラダやせん切りなど、生で食べる場合は、内側の葉を使いましょう。 ロールキャベツや和え物など、ゆでて使う場合には、ゆでる時に酢を少々加えると特有の臭みがとれます。
冬キャベツは外葉が濃い緑色で、巻きがかたくて重量感のあるものを選びましょう。春キャベツの場合は、巻きがゆるく葉がやわらかいものが良質です。 食べ方としては、春キャベツは葉がやわらかいので、生食が一番です。千切りにしてトンカツ等の付け合わせに向いています。一方、冬キャベツは肉厚で甘味も強く、煮込んでも崩れないので、ロールキャベツやポトフ、もつ鍋など煮込み料理に向いています。煮ることで甘味が十分にでるので、おいしく食べられます。
芽キャベツは巻きが硬くて火が通りにいので、包丁で底に十字の切り目を入れ、塩を少々加えた熱湯でゆでてアクをぬいてから、シチュー、グラタン、バターソテーなどに利用します。
■ キャベツの葉をうまくはがす方法
ロールキャベツなど、下ごしらえのときに1枚1枚ていねいにはがして、それをゆでるとなると大変な手間がかかります。そこでこの裏ワザですが、まずキャベツの芯をくりぬき、穴の部分を上にして耐熱ボウルや鍋に移します。くりぬいた穴の上から熱湯を注ぎ、キャベツ全体が熱湯に浸るようにします。そして、上からラップをかけて10分ほど放置すると、葉がしんなりとしてゆでキャベツができあがります。あとは1枚ずつはがして使用すればOKです。きれいにはがせて、しかも簡単にできるので覚えておくと便利です。
■ 簡単な千切りの方法
縦半分に切ったキャベツの切り口に、にんじんなどの皮むきに使うピーラーを当てて、上から下に削ってください。あっという間に、太さのそろったきれいなせん切りができあがります。
■ プラスひと手間
つけあわせのせん切りなど、シャッキッと歯ごたえを良くしたいときは、芯を自分のほうに向けて、繊維にそって縦に包丁を入れます。おひたしなど、やわらかくしたいときには繊維を立ちきるように横に包丁を入れるとよいでしょう。せん切りしたキャベツはすばやくボウルに移し、水に放します。こうするとアクが抜け、黒ずむのを防げます。アクがボウルの縁に小さな泡となって出てきたら水を取り替え、しばらくしてざるに移してよく水を切ります。あまり水に長くつけすぎるとビタミンCなどの有効成分が水に流れ出てしまうので注意してください。
■ 生キャベツ
ビタミンCを壊さずに体内に取り込むことができます。
豚カツの添え物としても定番の千切りキャベツなら、調理不要で美味しくビタミンCも丸ごと摂取できるのでお薦めです。生の千切りキャベツを塩昆布で和えれば、栄養と旨みがアップ。お酒のおつまみにも最適で、余りがちなキャベツの大量消費にもなります。
■ 蒸す
栄養面から考えた、おすすめの調理方法は「蒸す」ことです。特に短い時間で蒸すというのがポイントになります。多い量食べることができ、ビタミンCの損失も少なくて済みます。
加熱により、細胞膜を壊すことで、栄養が吸収しやすくなります。熱を加えることによりかさが減るのでより多く食べることが出来ます。
■ 炒める
ビタミンCは減りますが、カロテンは油と一緒に調理することで効率的に吸収することが出来ます。
キャベツと一緒に豚肉だったりツナだったりアレンジも加えやすいですね。
■ 煮る
もう一つ、「煮る」のもおすすめです。栄養面では劣りますが、汁も量も食べることが出来ます。ミネストローネやポトフなど、もつ鍋もいいですね。
キャベツの食べ方お国事情
肉をたくさん食べるヨーロッパでは、野菜の煮込み料理がよく作られますが、 ドイツでは、すっぱい塩漬け「ザワークラウト」がソーセージについており、よく食されています。これはキャベツを千切りにし、塩やこしょうを少々加え、重石をのせて涼しい場所に10日以上おいて乳酸発酵させたものです。生キャベツは、ビタミンCを壊さずにそのまま食べられるので、ザワークラウトは理想的な食べ方と言えます。
意外ですが、とんかつとの絶妙な組み合わせは純日本流です。生のせん切りキャベツにソースをかけて食べるのはヨーロッパなどではみられません。野菜いためや浅漬けのほかにぎょうざの具にもよく使われます。
キャベツの上手な選び方
冬キャベツは緑が濃く、切り口が新しくみずみずしいものが新鮮です。巻きがかたくて大きさのわりにずっしりと重いものを選びましょう。外葉の表面が紫がかっている場合がありますが、これは露地で寒さにあたったためで、かえって甘みがあっておいしいキャベツです。
新キャベツは緑が濃く、葉につやがあるものを選びます。古くなると光沢は消えてしまいます。また、巻きがやわらかで弾力があるものは新鮮です。芯の太さは500円硬貨ぐらいの大きさが目安です。それ以上大きいと中の芯が成長しすぎておいしくありません。
切って売られているものは、葉にすきまがなく、芯の長さがキャベツの高さの3分の1以下のものを選んでください。上部に割れ目が入ったり、葉のつけ根の切り口が割れているものは、古くなったキャベツです。外側の葉が白っぽいものは、葉がいたんだり虫にくわれて何枚かむいたものですから、品質が劣ります。底の切り口が新しくてみずみずしさがあり、変色していない物が新鮮ですしっかり型のキャベツを選ぶなら、外側の葉が緑色で、切り口が新しくきれいなものが新鮮です。さらに球の巻きが堅く、大きさのわりにずっしりと重いものがおすすめです。
花の咲く茎が伸びることを、「とうが立つ」といいます。春に出回るキャベツでとうが立ちはじめたものは、栄養分を花にとられてしまうため、味が落ちます。春キャベツは持った感じが軽い物が、柔らかくて、美味しいです。一方、寒玉キャベツは、持ってみてぎっしりと重い物を選んでください。
キャベツの保存方法
キャベツの保存は、いかに水分を保つかがポイントです。カット売りされたものは、切り口から水分がどんどん抜けて傷んでいくので、丸ごと買いが絶対にお得です。ラップに包まれているとキャベツが呼吸できなくなるので、ラップははずしてポリ袋に入れ、野菜室で冷蔵します。大きくてビニール袋に入らない場合には、外葉でおおい、さらに新聞紙でくるむとよいでしょう。葉を外側から1枚1枚はがしながら使うことをおすすめします。
キャベツは、できれば丸のまま購入して、一番外側の固い葉は捨てずに残ったキャベツをくるむのに使いましょう。丸ごとキャベツをすぐに使いきれない場合には、芯から腐り始めるので、芯を包丁で切り抜き、水で湿らせたキッチンペーパーなどを詰めてからポリ袋に入れ、冷蔵庫で保存します。1日おきぐらいでキッチンペーパーを取り替えると更に長持ちします。しかし、芯はキャベツが生き抜くために必要な栄養分の貯蔵庫なので芯を切り取ってしまうと、ビタミンUは増えません。
キャベツはせん切りか、ざく切り以外の特殊な切り方はあまりしないので、あらかじめ1/2個ぐらいを一気にせん切りやざく切りして、冷凍保存しておくと便利です。切ったキャベツは水につけてぱりっとさせ、ざるに上げてよく水をきり、ビニール袋か密閉容器に入れて冷凍庫で保存します。せん切りのものを使うときは、そのまま盛りつけるだけです。時間の無い朝ご飯のときなどに重宝します。ざく切りのものは、そのまま炒め物などに使えます。
キャベツの賞味期限は一般的には
冷蔵保存の場合:2週間~4週間
常温保存の場合:1週間~2週間
切ったキャベツ:2日程度
と言われています。結構長持ちします。
2週間もあればたいてい食べきれるので問題ないでしょう。ただしカットするとその面が変色してしまうので、その部分を切り落として使うようにしましょう。
ぬめりがでてきたら腐り始めているので、あきらめて処分した方がよいでしょう。
キャベツの食べすぎもよくない??
■ 便秘になる
キャベツの食物繊維は、適量摂取するぶんには、便秘の改善に役立ちます。ただし過剰に摂取すると、腸内の水分や油分を吸収しすぎてしまい、便が固くなることで逆に便秘になることもあります。
■ おならが臭くなる
キャベツに含まれる、イソチオシネートは抗がん作用があると先ほど書きましたが、体内でガスを発生させてしまうことも分かっています。そのため一時的にですが、お腹がガスで膨張してしまったり、おならが臭くなったりします。症状がひどく気になるかたはキャベツを夜食べるようにすればよいでしょう。
ご挨拶
諸説、御座いますので、何卒、ご参考程度でお願い申しあげます。創業者 謹白
■ 転載について ■
・当ホームページの文章・画像などの内容の無断転載、及び複製などの行為は、ご遠慮ください。
・当ホームページに掲載されている全ての画像・文章・情報などは、著作権により保護されております。
・著作権者の許可なくこのサイトの内容の全て、又は一部をいかなる手段においても複製・転載・流用・転売・複写などをすることを固く禁じます。
■ 著作権侵害行為に対する制裁措置 ■
著作権侵害をした者に対しては、損害賠償請求や差止請求のような民事的請求が認められている。また、故意に著作権侵害をした者に対しては、懲役や罰金の刑事罰が科されることがある。