とり皮の発祥・歴史
博多の名物となっているとり皮について、ご紹介したいと思います。
諸説、御座いますので、何卒、ご参考程度でお願い申しあげます。
【とり皮の状況】
タレに長時間漬け込むことで、内部に味が染み込みます。
また、焼きを重ねることで、表面は香ばしくなります。
これで、博多ならではのとり皮になります。
このような、正式で伝統的な製法は、熟練した技術が必要で、
本来は、専門店で修業をした弟子にしか作れません。
しかし、最近のとり皮ブームにより、簡易的なレシピで作られたとり皮を、
博多のとり皮として販売されていることが増えています。
大量に作るために、完成までの時間や手間を省き、
タレに漬け込まず、焼いた直後にタレを絡めるだけ、
焼きも1回のみで簡単に作られたとり皮が多く見られるようになりました。
これでは、博多伝統のとり皮の味には到底至りません。
伝統的技法で作られている本物の博多のとり皮を、ぜひ味わってください。
【よのすけ本店の製法】
1 とり皮の選別と下処理厳選した良質で、弾力のあるとり皮を選別します。
内側に付いている余分な脂肪や、スジを手作業で取り除きます。
巻きやすいように長方形に包丁で切ります。
下処理だけでもこれだけの手間がかかります。
とり皮の表面を外側に、脂身面を内側にしてグルグルと巻く事によって、 美味しい脂を閉じ込めます。 脂身を閉じ込める巻き方が、最大の特徴です。
3 焼き焼きをじっくり重ね、余分な脂を落とす事によって、肉の旨味をギュッと凝縮させます。
この工程で、外側はカリッと香ばしく、中はジューシーに仕上げます。
鹿児島の醤油は、とても甘く、北に上っていくにつれてしょっぱくなっていきます。
地元博多ならではの甘めの醤油をベースに、秘密の複数の素材を混ぜ合わせて
完成させた、とり皮業界初のここだけにしかないオリジナルの秘伝タレです。
タレの濃さや、配合。漬け込む時間、焼く回数等は、門外不出の技法です。
とり皮をしっかりと長時間漬け込み、タレの味を内部にまで染み込ませます。
肉の旨味とタレの2つの味を楽しめます。
この工程で、噛むほどに奥深い味わいがお口の中に溢れるとり皮が完成します。
現在では、正統な製法で作っているお店は、数少ないようです。
時間も労力も惜しまず、博多の伝統を守り、製法を追求し、
1本1本想いを込めて仕上げます。
【とり皮の特徴】
ねじねじ、ぐるぐるの、手間暇かかる、人の手作業による串刺し。
とり皮を串にねじねじに巻き付けていくという、非常に時間のかかる独特のやり方です。
1本を完成させるのに、5分間かかるとしたら、60分でたった12本しか巻けません。
その後、焼きを繰り返すのですから、手間暇かけすぎグルメですね。
素焼き、たれ漬け、焼き、寝かせを何日も何日も繰り返し、旨みが中までしっかり入ったとり皮に仕上げます。
食感は、カリカリとしていたり、ふっくらジューシーだったり、タレの味は、濃い、甘い等、各店舗により、それぞれ特徴があります。
完成までに時間と手間をかけるのが最大の特徴です。
・鶏の首皮を使用する
・見た目は、ねじねじ、ぐるぐる巻き
・焼いては、寝かせ。焼いては、寝かせを、何日間も繰り返します
何日間もかける手間と、職人の焼き技が必要です。
(焼き方や焼く台、焼く回数も、各お店によって、それぞれ違いがある様です)
・調味タレに漬け込む事も特徴のひとつです ※秘伝のタレは、各店舗、違います
・外側は香ばしく、カリカリの食感
・内側はふんわり、ジューシー
・余分な脂がなく食べやすい
・脂が落ちていて、ヘルシー
・何本でも食べられる感じ
・焼きを繰り返すので、ぎゅっと縮み、完成品は、小さくなる(ボリュームは、ありません)
■ 小話 各店舗の個性 ■
とり皮は、変化をしながら、進化をしています。今では、各店舗、店主の個性や工夫、そして改善が出ています。各店舗、全く同じ味ではありません。原料の違い、焼き台の違い、焼く温度の違い、焼く回数の違い、そして、味の決め手となるたれの違い。こってり味・あっさり味があるラーメン同様、そのお店独自のとり皮をお楽しみ頂ければ幸いです。
【とりかわの歴史と発展】
「焼とり権兵衛」さんの歴史
博多独自の、ぐるぐる、ねじねじのとりかわは、1968年(昭和43年)創業の焼とり権兵衛(ごんべえ)さんが発祥店です。
創業者 古賀貞己氏。現在は、焼とり権兵衛グループの会長。
二代目、古賀正行氏。
昭和43年、福岡市城南区友泉亭に広さわずか8坪、カウンター14席のみという小さな焼とり屋として開店しました。開店当初は、店名がなかったのですが、「名無しのゴンベエ」と呼ばれていたことから由来して、開店から半年後、「焼とり権兵衛」となりました。
開店当初から「とりかわ」はあり、当時の値段は1本30円。開店直後から権兵衛の「とりかわ」はあっという間に大人気となり、皮が苦手な方や女性の方からも愛されるひとつのメニューでした。食べればみなが虜になり、わずか8坪の店で生まれた「とりかわ」は今や十数店舗で継承されています。「権兵衛」という名前のままの店舗は、福岡市内の大名店、香椎店などがあります。
天神地区から近くにある「粋恭(すいきょう)」の旧店名は、権兵衛薬院店です。
◎博多の名物となったとりかわの誕生
昭和43年、権兵衛の創業者である古賀氏が、とりかわが苦手な娘さんにとりかわを食べてもらいたいという想いから作り上げました。とりかわが苦手な人でも食べられる商品ができないかと考えます。とりかわが苦手な理由は、鳥肌と独特の食感。これをなくすために、グルグル巻きにし、火を何度も通しました。皮は本来硬く、串刺しも大変で、脂が水分を弾く為、タレが染み込みません。万人に受け入れられる商品にしたい、と分析した結果、首の皮は薄く柔らかく、脂が少ない。鶏の皮で首皮が最も美味しいということにたどり着きます。これを使い、皮が苦手な人たちにも「うまい!」と言わせたいという一心で考案し、誕生したのが権兵衛発祥のとりかわです。
大将は、長~い、白髭を生やし、見た目は、まるで仙人のような方、「とりかわの作り方は教えてやるばいっ。」と言って頂いたのも、印象的でした。
◎「焼きとり権兵衛」~フランチャイズ展開
2008年より、『とりかわ権兵衛』はフランチャイズ化し、全国展開していきます。大阪や広島に出店しています。
■ 小話 ■
有名になればなるほど、いろんな噂話、都市伝説的な話が出てくるのですが・・・、売れ残ったとり皮を、翌日に焼きを入れ、また残ってしまったとり皮を、翌々日に焼きを入れて、何日間も焼いて、お客様に提供していたところ、すごく美味しいとなった。もったいないと、繰り返し焼いた事が、偶然にも博多とり皮の誕生となった。と言うお話も、しばしば聞かれます(笑)
「かわ屋」
◎「焼きとり権兵衛」から、京谷満幸氏が独立、「かわ屋」創業へ
名店として、多くのメディアで取り上げられている「かわ屋」は、当時の権兵衛薬院店から独立し、誕生します。「かわ屋」は、創業当初より地元の人たちから、とりかわが大人気で話題となり、「かわ屋」が、博多のとりかわを全国に広めたと言っても過言ではないでしょう。白金店、警固店の2店舗あります。どちらも、連日予約をしてもなかなか入れない程、常に大盛況です。
「とりあえず、とりかわ20本!」といった注文を当たり前にしたのも、かわ屋ではないでしょうか。かわ屋1店舗でのとりかわの消費量は1日あたり100kgにもなるとか。
かわ屋では、とりかわ以外にも、炙りささみをわさび醤油で頂く「ささみのしぎ焼き」や、「ダルム(白もつ)」、お会計後に無料サービスで出してくれる鶏ガラスープなども好評です。
とりかわだけでなく、他の焼鳥も安くて、美味しい、スタッフさん達が、元気で、親切、活気がある事も魅力です。
現在、かわ屋の創業者である京谷満幸氏の息子さん3人も引き継いで、お店を営業されています。
◎「かわ屋」~フランチャイズ展開
連日予約が取れない店としての実績を積んだかわ屋は、フランチャイズ化し、2015年東京に進出します。
2017年11月、かわ屋は、ジェイグループホールディングスの子会社となり、いろんな地域で出店しています。
「博多とりかわ大臣」
博多とり皮の有名店でのアルバイトを経て、2006年に「博多とりかわ大臣」を開業します。現在は、博多駅近辺に店舗があります。
とりかわ大臣オリジナルの塩味を開発。タレ焼き以上にカリッとした食感だという「博多とりかわ・塩」も好評です。
「村崎焼鳥研究所」
福岡市中央区春吉にあります。研究所というだけあって、様々な部位の焼き鳥が食べられます。ここでもやはり人気はぐるぐるの博多とりかわです。かわ屋同様、締めに無料サービスで、鶏がらスープを出してくれます。
「かわ屋みつます、とりかわ宝家、サンバ、とりかわ かわっこ」
権兵衛やかわ屋で修行した人たちから、博多のとりかわは、広がり続けています。
南区大橋、天神今泉の「かわ屋みつます」、中央区春吉の「とりかわ宝家」、中央区薬院の「サンバ」、南区那の川「焼とり崎三」でも、博多のとりかわを味わえます。中央区平尾の「とりかわ かわっこ」では、タレ焼きと塩焼きが楽しめます。
「とりかわ春、とりかわ翔」
博多名物となったとりかわは長崎へも広がります。長崎県内一の繁華街、銅座に「とりかわ春」、千歳町に「とりかわ翔」があります。博多の味を長崎でも味わえるようになりました。
「とりかわ長政」
テレビで話題のカリカリのとり皮は、東京でも食べられます。店舗が増えているので、東京でもとり皮が人気であることが分かります。福岡県内では、とり皮は、比較的低価格で食べられる店が多いですが、東京は、やや高め価格ですね。
「よのすけ本店」
旨味が溢れる【ジューシー感】にこだわりました。ジューシー派に大人気です。
博多名物であるとり皮業界で、このタレを使うのは日本初です。
旨みが溢れるジューシー感が特徴
目をつぶって噛みしめる・・・ 余韻も旨い・・・
熟練の技と、時間をかけて仕上げるとりかわには、当店独自のタレが中までたっぷり染み込み、ふんわりジューシーな焼き上がりで、噛む度に、お口の中にじゅわ~っと旨みが溢れ出します。
タレが違う、タレが個性、タレが特別、タレが秘伝。
味の決め手となるタレと漬けの工程は、よのすけ本店独自の技法。
一本、一本にしっかりと染み込ませた、当店だけのオリジナルのタレ、ここだけにしかない名物とり皮。
噛む度に、旨みが溢れます。
一般的なとり皮とは、食感や味わいが異なります。よのすけ本店流とり皮、最大の特徴である凝縮された旨味をご堪能ください。
■ 小話 ■
博多名物とり皮の特徴的である巻き方ですが、うなぎの串にある倶利伽羅焼き(くりからやき)に、似ています。
倶利伽羅焼き(くりからやき)とは、鰻をさばく際に出る端切れを串に刺しにしたものです。
うなぎを串に巻きつけた形が、倶利迦羅龍王の姿に、似ているとことから、倶利伽羅焼き(くりからやき)と言われているそうです。
倶利迦羅龍王とは
不動明王の変化身。竜が火炎中の宝剣に巻きつき、その先端を吞もうとするさまで表される。空の精神を示すとも、生仏不二(しようぶつふに)を意味するともいう。俱利迦羅不動明王。俱利迦羅不動。俱利迦羅明王。俱利剣。
■ 秘密のケンミンSHOWでも紹介 ■
とり皮は、福岡県民の熱愛グルメ、ソウルフード、博多名物グルメとして紹介されました。今では、たくさんのテレビ、雑誌、メディアで紹介されています。
【店舗で味わうときの心得】
美味しく楽しく頂く為のコツです。
・必須です。予約をする。
この際に、開店時間直後や、閉店時間に近い時間で予約すると取れやすい。
また、多人数では席が取りにくいので、2人~4人の少人数で予約する。
・入店すると「皮、何本?」と聞かれることも多いので、入店前に「とりあえず」の本数を決めておく。
・残念ながら、予約が取れない場合は、お持ち帰りが出来るか確認する。
・訪問出来た際は、とり皮は、手間と時間をかけた、やりすぎグルメです。ご寛大に楽しく、お召しあがりください。
福岡、博多では、お酒のお供の定番メニューとして愛されています。美味しさはもちろん、低価格で気軽に食べられ、お酒にぴったりです。一人でも大勢でも楽しめます。
ご紹介してきたように、小さな店舗で生まれたとり皮は、多くの人に受け継がれ、提供する店は、増え続けています。とり皮、焼き鳥専門店だけではなく、博多ラーメン屋等でも頂ける店があったり、スナックでもテイクアウトのとり皮をお酒のお供として楽しんだりしています。
同じ製法のタレ焼きでも、店により、味付けは異なるので、やや薄めの味の場合は、柚子胡椒を付けるのもお薦めです。
ちょっと濃いめの場合は、焼き鳥の付け合わせのキャベツに巻いたり、お好みの食べ方で楽しみましょう。
博多名物となったとり皮は、これからも人気が上昇していくことが大いに見込まれる、注目の逸品です。福岡や東京に行く機会がない、という方はお取り寄せ、通信販売でも、ぜひお試しください。
博多名物とり皮には、諸説、御座いますので、何卒、ご参考程度でお願い申しあげます。
創業者 謹白
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